Chihiro Kimura
太鼓に初めて触れたのは・・・ そう、確か小学5年生の夏休み。
町内会の盆踊りの太鼓を子供会が叩くことになり、夏休みに入ってから近所の幼稚園で
【炭坑節】や【東京音頭】を練習し始めたのが最初です。
斜めにセットされた太鼓を「どんどんどんカラカッカ・・・」と打つだけの単純なリズム。
でも妙に面白くて楽しくて、夏休みの宿題もそっちのけで朝から晩までひたすら練習していました。
そしてお祭り当日、小さい【半被】に真っ赤な【たすき】の出で立ちで、会場の真ん中にそびえ立つ
やぐらの頂上で太鼓を響かせれば気分はすっかり「太鼓打ち」。
いい気になってあっちこっちの町内会の盆踊り会場にまでのり込んでは、
本部席で「太鼓叩かせてくださーい!」ってな具合。
約20年が経ち・・・
ある日、奈良から遊びに来た叔母が「うちの○○(従弟)な、最近太鼓始めてん!見たってくれる?」
と言っては持ってきたビデオを半ば強制的に見せられました。
1時間半程のコンサートのビデオでしたが、その時に思ったのが「何で太鼓?・・・ダサっ!」。
(今では有名プロチームですが)
しかしやっぱりどこか自分の感性に響く太鼓。
彼らが東京に来て初めて目の前での演奏を見た時に「こりゃ面白そうやなぁ」と正直思ったものです。
何で太鼓をやっているか? 答えは単純明快。 「楽しいから!」です。
でもそれ以上にやればやるほどに感じ、そしてこれからまだまだやりたいことがあります。
それはこんな図体でかくて重くて値も高くて、しかし「ドン!」って音しか出せないどんくさい楽器のくせに
人の心に入り込む和太鼓の魅力をもっともっと活かしきれる演奏がしたいのです。